







数学研究者でありながら、実験的な写真作品を残した幻の前衛写真家、大西茂の初の写真集。
大西茂は、岡山県高梁市の旧家に生まれる。中学時代から、教師に難問を発して困らせていという秀才であった。また、易学の研究を熱心にしたという記録もある。その後、位相数学を研究するために北海道大学に入学。1953年に同校を卒業するが、引き続き大学に残り数学の研究を続ける。ライフワークとも言える理論「超無限の研究」の論文に取り組むとともに、その数学理論を芸術作品として体現した写真作品を作り始める。写真は独学であったが、多重撮影、多重焼付け、刷毛やスポンジによる現像処理、特定の薬品による変色、フィルム加工、現像温度を操作することによる色調の変化等を通じて、意図した以上の偶然性による効果を狙った極めて実験的な制作方法を用いた。
2021年9月から、オランダのフォーム写真美術館で、初の大規模個展「Shigeru Onishi – The Possibility of Existence」が開催される。
https://www.foam.org/museum/programme/shigeru-onishi-the-possibility-of-existence
作家について
https://mem-inc.jp/artists/onishi_j/
サイズ|285×238×28mm
頁 数|192頁、図版195点
製 本|ハードカバー
テキスト|金子隆一
企画・デザイン|マンフレッド・ハイティング
共同企画|MEM
編 集|石田克哉、高橋瑞穂(MEM)
翻 訳|川田康正、アレックス・デュドク・ドゥ・ヴィット(Art Translators Collective)
言 語|日本語、英語
出 版|Steidl
出版日|2021年8月(第一版)